2008年7月28日月曜日

聖劇 「京都の大殉教 炎の十字架」

聖劇「京都の大殉教 炎の十字架」公演終わる!

 京都フランシスコの家から以下の素晴らしいメールが届きました。

7月21日、 京都市 東本願寺の大谷ホールで、「京都の大殉教 炎の十字架」が上演された。主宰はフランシスコの家のルカ神父。脚本・演出は西田明子(在世フランシスコ会・箕面兄弟会)。家族の絆・真実の愛と信仰を問う宗教劇は、1000人を超える観客を魅了し、感動の渦の中で幕を閉じた。

あまり知られていないが、京都は仏教や神道だけでなく、キリスト教にも縁の深い地である。16世紀半ば、ヨーロッパの宣教師たちはひたすらミヤコを目指し、布教活動に励んだ。京都では「ダイウス町」と呼ばれる町がいくつかあり、キリシタン達が集まって住んでいた。

しかし、やがてキリシタン弾圧の時代が来る。禁教令が厳しくなり、従わない者は見せしめのため処刑された。京都では、1619年10月6日、六条河原で52名の信者たちが火あぶりになった。日本三大殉教のひとつに数えられるこの殉教では、幼い子どもたちや若い母親らまでが大勢処刑された。

劇は、この大殉教で処刑された橋本一家(夫婦と5人の子どもたち)を中心とした物語である。信仰に導かれ、教えを守り、喜んで周りの人たちのために生きようとした庶民たちが、時代の波に翻弄され、容赦なく運命を変えられていく様子が2時間のドラマに集約されている。

僧侶出身の京都所司代・板倉勝重は、かつては宣教師の友人であり、何とかキリシタンを守ろうと苦悩するが、「この世に執着せず、与えられた命を感謝しながら豊かに生きている」キリシタンは、「仏の道にも通じている」と感じていたからである。しかし、ついには将軍直々の命令により、処刑は実行される。

 神様から与えられた命を、精一杯純粋に生きようとし、死んでいくキリシタンたち。胸が張り裂けそうな火刑のシーンで、いとしい子どもたちの魂の救いをこいねがう母親の祈りは圧巻であった。

満席の会場は、京都ならではの土地柄で、キリスト教や仏教、宗派を超えた人たちが集まり、感動を分かち合った。