2014年9月25日木曜日


東北大震災の被災地「宮古」を訪問して(3)

 先月20日の集中豪雨により74人もの死者を出した広島の土砂災害は、3年半前の東北地震を再び目の当たりにした思いでした。自然の猛威を前になす術もない感じです。その上、今回も避難情報の遅れといった人災もありましたが、自衛隊や警察をはじめ多くのボランティアが救援に駆けつけました。ひとびとの「命だけでも…」というひたすら思いが伝ってきました。

 「宮古」でのボランティアの中でも若い人たちの活躍には被災者たちばかりでなく私たちも励まされました。7月の末から8月初めにかけて札幌天使大学の看護科の学生4人が夏休みを利用して3泊4日で参加してくれました。そのため各仮設のカリタス・カフェは大いに盛り上がりました。仮設に住まわれている方たちは単に奉仕を受けるだけでなく、いろんなものを分かち合ってくださいます。

7月30日は漁が解禁になったといって西岡団地の仮設の方がたが取り立ての「うに」をご馳走してくださいました。また、磯鶏(そけい)の仮設では、バザーのために刺繍した小物をみんなにくださいました。天使の学生たちはお年寄りたちの中に入ってニコニコしながら話を聞いていました。あるお年寄りは「うちの孫の嫁になって…」とか、「看護婦さんになったら宮古に来んさい」とか。夏休みで小学生も入ってきたので「かき氷」を出していたら、これに誘われてか、なんと若いお巡りさんが二人入って来ました。仮設住宅にスズメバチの巣があると110番があり駆けつけてきたとのことでした。一人は沖縄から震災支援で派遣されてきたとのことでした。みんなで大歓迎しました。お巡りさんたちも学生たちに警察の帽子や防弾チョッキを着せて一緒に写真に納まっていました。

実は、私は9月13~15日と福岡で開催された「カトリック正義と平和全国大会」に参加しました。「いのちを大切にする社会を目指して」というテーマで、韓国司教協議会会長で済州島の教区長・姜ウイル司教の講演を聞きました。2005年に「平和の島」に制定された済州島の江汀(かんじょん)村に海軍基地が一方的に建設されることとなり、小さな貧しい島民の叫びに司教様が手を差し伸べるようになった経緯を話されました。

またこの後行われた「高校生平和大使」の平和メッセージも心打つものでした。これは1995年、「高校生1万人署名活動」として,長崎で始まった高校生による平和活動で、ニューヨーク国連本部やジュネーブ欧州本部を訪問し,核兵器の廃絶と世界平和の実現を訴えてきました。高校生平和大使の活動は国連で高い評価を受け,今年8月までの累計は1,173,422筆の署名を集め大きな成果をあげています。